2024年10月8日、全店の店長および主要スタッフが、カンコー学生服(菅公学生服株式会社 本社:岡山県岡山市)の宮崎県にある都城工場と、高城工場&南九州カッティングセンターを見学させていただきました。
カンコー学生服の工場は、南九州全域に設置されています。今回見学したのは、以下の2箇所になります。
- 都城工場(菅公学生服株式会社)
-
高城工場(菅公アパレル株式会社)
南九州カッティングセンター(菅公学生服南九州カッティングセンター株式会社)
南九州カッティングセンター
原反(加工前のロール状態の生地)を格納する大きな倉庫と、生地を自動でカットする最新の裁断機が多く設置されています。
前述の通り、南九州には多くの工場がありますが、すべての裁断を、こちらのセンターで請け負っていました。
【原反倉庫】
10,000種類もの膨大な量の原反(加工前の生地)は、QRコードで管理され、保管場所や残量・使用履歴など、ハンディターミナルで確認が可能です。
また格納前には、原反に蒸気と熱をあてることで、生地の収縮を解消・安定させる「スポンジング」処理を行っていました。
倉庫から裁断機の場所まで、一部自動運搬も導入されており、省力化・効率化が図られています。
【CAD~ラベラー】
裁断の指示書と、ラベラーのモニターでCAD図面を確認、生地に間違いがないか、バーコードでチェックします。
配反(はいたん)機で生地をキレイに伸ばしながら送り、ラベラーにより、各パーツの中央位置に、各種情報が印字されたラベルシールを貼り付けます。
【CAM(裁断)】
CAM(自動裁断機)により、生地をカットします。
型紙も必要なく、安全に素早く裁断することが可能です。
カットした生地は、パーツごとに結束し、縫製の工場に運ばれます。
高城工場
主にスラックスの縫製を行う工場で、複数のラインを保有しています。
【スラックスの縫製】
縫製ラインの流れの中で、ミシンの各作業者が、担当する箇所・パーツを縫い合わせていきます。
一人で複数作業をこなす場合も多く、正確かつ迅速な作業が要求されます。
縫製ラインの構成も、効率的に作業が進むよう様々な工夫が施されていました。
都城工場
ブレザーとコート、半ズボン(小学校制服)と女子スラックスの縫製を行っている大きな工場です。
南九州の各工場に、縫製作業と機械設備に関する個人技能資格者がいらっしゃいますが、都城工場には、特に多くの有資格者が在籍されていました。
また、敷地内には物流センターも構えており、ここから全国の拠点に出荷されるそうです。
広い工場では、多くの作業者の方が、様々なミシンで縫製を行っています。
ブレザーは、12~13点ものパーツから成り立っており、 おどろくほど素早く正確な縫製作業が行われていました。
また、工具類の管理、厳しい検査体制や設備など、ミスを防ぐための様々な施策が講じられていました。
【ブレザーの縫製】
ブレザーの縫製は、パーツごとで、多くの工程に分割されています。
品質向上・安定のため、特殊な縫い方をする希少価値の高いミシンや、ミシン以外の機械も多く導入されており、カンコー学生服の高品質へのこだわりを強く感じました。
表にステッチを出さない縫い方である「忍び星縫い」の作業です。国内では希少な機械であり、メンテナンスも大変難しいミシンです。
縫い目を表に出さないことで、見えるステッチよりも上質な雰囲気となります。
ボタンの留め外しがしやすいよう、布との間に余裕を持たせつつも、ボタンが下を向かないように取り付けが行われています。
糸がゆるんでボタンが取れないよう、ナイロン糸を溶かす始末を施すなど、細かい手間がかかっていました。
最後に
見学の日に合わせて、当社取扱い校の縫製作業を組んでいただきました。製造過程を目の当たりにし、自信を持ってお客様に勧められる高い品質であることを再認識いたしました。
スタッフ一同、気持ちを新たにし、本見学で得た知識を活かして、もうすぐ始まるR7年度の採寸に取り組んでまいります。