こんにちは 学生服専門店たむら SNS担当のFです!
2021年に中学校・高校へ入学される生徒様およびそのご家族様に向けて開催された
カンコー様主催の『制服にまつわるステキな話コンテスト』ですが、
今年も皆様からの沢山のご応募、誠にありがとうございました!
多くのステキなエピソードからたむら賞を選ばせていただき、
たむら本店でコンテストの授賞式を執り行いました。
今回、たむら賞を受賞された某中学校O様のエピソードをご紹介いたします。
~*~
12年前、生後3か月の娘を抱っこし、この町に引っ越してきた。
マンションのエレベーター内で娘は突然泣きわめいてしまった娘を、
同乗していた中学生の少女が、とっさにあやしてくれたおかげで、すぐに泣き止んだ。
何事もなかったかのように、会釈をして降りていったその少女が、凜として大人っぽく、
頼もしく見えたことを今でもリアルに覚えている。
その時、私はふと思った。
「今、私が抱っこしているこの子も12年後にはあの少女のように、立派な中学生になり、私から離れていく。
その日まで一緒に過ごせる子育ての時間を大切に過ごそう。」と。
それから、登下校している中学生を見かけては、あの時の誓いを思い出し、娘との「今」を大切に過ごした。
ベビースイミングで一緒に泳ぐ「今」、公園で遊ぶ「今」、おままごとで遊ぶ「今」、
音読の練習を聞く「今」、ママチャリでおしゃべりしながら帰る「今」…。
けれども、いつの間にか、忙しい日々に追われ、大切なはずの「今」を忘れてしまった。
時間を気にして「早くしなさい」と叱ったり、疲れから、一番愛しい我が子を言葉で傷つけてしまったり。
そんな矢先、突然私は、過労で仕事中倒れてしまった。病院のベッドで天井を眺め、「このまま死んでしまうのだろうか。
なぜ、もっと当たり前の日々を大切にしなかったのだろう。」と思い、娘のためにやり残したことが悔やまれて泣いた。
幸い、命に別状はなく、健康を取り戻すことができた私は、その日を機に、
またあのセーラー服を着た中学生が自然と目に留まるようになった。
娘はあと何年であの制服を着るのかと、逆算し「今」を大切にした。
そして、とうとう今年の春、中学校入学を迎え、あのセーラ―服を娘が着る時が来た。
親バカは重々承知の上だが、色白で無垢な笑みをする娘のセーラー服姿は、最高に可愛く、立派に見えた。
その成長ぶりに感嘆の声を上げて涙を浮かべる母の私を見て、「大袈裟だよ。」と言って娘は笑った。
その時、ふと、私の口から最初に出た言葉は、「おめでとう」ではなく「ありがとう」。
私のもとに生まれてきてくれて、12年間、最高に幸せな子育ての時間を与えてくれて、本当にありがとう。
これからは、あなたの選んだ道、生き方を、そっとそばで見守らせてね。
少し寂しいけれど、それが母が「今」できることだから。
楽しく最幸の中学校生活になりますように。
~*~
入学するお子様の数だけ、素敵な話があると思います。
私自身もO様のエピソードを聞いて、自分の学生時代を思い出しました。
皆様からの制服にまつわる素敵な話がございましたら、ぜひご応募ください!